8歳のボーダーコリーのモカちゃんは血尿が出るとのことで来院しました。
普通は膀胱炎や結石と考えがちですが、身体検査をすると腹部に皮下出血が見られ、
触診で腹腔内にテニスボール大の腫瘤が発見されました
。血液検査を行うと出血した時に血液凝固させる働きのある血小板が正常の1/100以下しかありませんでした。
超音波検査により腹腔内の腫瘤は直径7.5cmの脾臓の腫瘍と判明しました。
膀胱や皮下に出血を起こさせている血小板減少症はいくつかの除外診断を行った後、最終的に脾臓の腫瘍が原因と考えられ、摘出手術を行うことにしました。
手術に先立ち当院の輸血ドナー犬スタンダード・プードルの秀君とクロスマッチテストを行った後、DEA1.1、陰性の血液を輸血しました。
(ドナー犬秀君)
腫瘍摘出、3日後には血小板数は正常値に戻り症状も消えて、めでたく退院の運びとなりました。
世田谷区桜上水のS様と元気になったモカちゃんです。