こんにちは。
前回のミニブタの飼育の仕方をお話しいたしました。今回はミニブタ・マイクロブタのお手入れと病気についてお話します。
ミニブタ・マイクロブタのお手入れ
爪切り
室内飼育の場合、月1回の爪切りを行うのが理想です。小さい頃から爪切りの習慣をつけることは大事で、慣れないと爪をきることができません。爪切りは怖くないことを教えてあげてください。小さい時や、マイクロブタなどは犬の爪切りを使用できますが、成長したらニッパーなどで切ります。切ったあと、やすり(犬用)をかけてあげてください。
しかし、そのミニブタの性格もあります。小さい時から慣らすといってもなかなか容易ではありません。
病院では自宅で爪切りができないブタさんたちを数多く見てきました。どうしても切る事が出来ない場合は獣医師に相談してください。無理やり嫌がることをするとミニブタも飼い主さんも怪我をすることがあります。
マイクロブタは比較的ミニブタよりも爪切りを慣らすことはできます。しかし爪切りの保定などは慣れた人が行うことが好ましいです。
(伸びた爪)
(爪切り)
爪やすり
耳掃除
耳垢が溜まるとごく稀に炎症を起こすことがあります。
コットンに耳のクリーニング液を付けて拭いてください。
黒い耳垢が溜まる子が多いです。が、ブタさんの耳垢は大変取れやすいのでやさしく拭いてあげてください。特に奥の方の耳垢を取る必要はないと思います。ただ、耳の中が炎症をおこしているように赤くなったりしていたら、獣医師に相談してください。
耳掃除
牙のお手入れ
オスのミニブタは生涯に渡って牙が伸び続けます。時々メスのミニブタも噛み合わせが悪いと牙が伸びてくることがあります。
大人しいミニブタであればやすりをかけ削ることができますが、やはり獣医師に相談して切断することが望ましいです。
ミニブタは大きくなると爪切りも容易ではないので、定期的に爪切りと牙の切断、耳掃除を行っていくことをお勧めします。
歯磨き
歯磨きはできるならしたほうが良いです。やり方は犬と同様です。ミニブタ用歯ブラシとかは販売していないので、大型犬用で代用するか、カーゼを指に巻き付けて磨いてください。しかし、小さい頃からかなり歯磨きという行為に慣れているブタさんならできますが、なかなか少ないと思います。
私は個人的には特に歯磨きが必要とは思いませんが、先に書いた牙が伸びて歯茎に当たるなどして歯茎に炎症が起きたりすることの方が重要と思います。
また、ミニブタの顎の力は強いので、むやみやたらに口をいじると咬み付かれた場合は大変です。
口の中に炎症があるとよだれが出ます。いつもよりよだれが多いなどの異常があった時は獣医師に相談してください。
ブラッシング
汚れやフケを落として皮膚を清潔にすることは大変に良い事です。季節に依って毛量が変わりますし、季節の変わり目には抜け毛も多いです。ゴム製のブラシなどでやさしくブラッシングしてあげてください。
また夏は外に長時間いると、日焼けをする場合もありますので気をつけてあげましょう。もちろんシャンプーができる子はシャンプーをしてください。
ミニブタ、マイクロブタの重篤な病気
豚熱
2020年2月5日から豚コレラは豚熱と名称変更しました。豚やいのししの病気であって、人に感染することはありません。感染したブタは40℃を超える高熱を出して動けなくなり、1週間から10日ほどで死亡します。日本でも発症しています。
日本脳炎
「コガタアカイエエカ」という蚊の吸血によって感染する病気です。法定伝染病の一つで、人にも感染します。発症すると高熱や神経麻痺に襲われて20%~40%の割合で死亡してしまいます。日本でもウィルスに感染したブタが見つかっています。予防注射があります。
ブタインフルエンザ
その名前のとおり、インフルエンザの症状が出ます。
咳、鼻水、発熱などの症状が出ます。国内での人への感染は認められていませんが、ブタ同士の感染はあります。予防注射があります。
豚丹毒(とんたんどく)
あまり聞きなれない病気ですが、豚丹毒菌の感染によって起こる人畜共通感染症です。ブタにおける症状は敗血症型蕁麻疹型、関節炎型および心内膜炎型に分類されます。 豚丹毒菌はブタ、イノシシのほか、ヒトを含む哺乳類、鳥類に感染します。日本での人への感染報告はありません。
予防注射があります。
まとめ
ミニブタが一般的に主にかかりやすい病気
胃腸炎、胃潰瘍:食後の嘔吐や血便が出るなどの症状が現れます。
泌尿器系の病気:尿が濁る、または血尿が出ます。
生殖器の病気:去勢、避妊手術で防げますので、手術をお勧めします。
口腔内の病気:牙や歯が歯茎や口腔内などを傷つけて炎症を起こす
皮膚の病気:皮膚に発疹が現れる。フケが異常に出る。痒がる。
飼い主さんの気づきが大事
ミニブタも他のペット同様病気にかかります。
症状は様々ですが、「食欲がない」「呼吸が早い」「尿が出ない、尿が濁る」「皮膚に異常がある」などです。
どのペットもそうですが、飼い主さんの「いつもと違う」という気づきが一番重要です。
日頃の生活から普通の状態を把握してください。
日頃から信頼できる獣医師、かかりつけの病院を決めておこう!
ミニブタのペットとしての飼育歴はまだ浅いので、伝染病対策もまだきちんとした法令になっていないことが多いので、信頼ある獣医師に相談をするようにすることが最も大事なことです。
また、予防注射、爪切り、牙切、など獣医師に相談して、定期的に受診することをお勧めいたします。
山田動物病院では日本脳炎、ブタインフルエンザ、豚丹毒の予防注射ができます。
爪切り、牙切、健康診断等も行っております。
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