狛江市にお住まいのF様のご愛猫、メイクーンの玲ちゃんが昨日から7回も嘔吐して、食欲も全く無くなってしまいました。
バリウム造影による腹部X線検査や超音波検査の結果、腸閉塞と診断しました。
開腹手術を行うと、十二指腸の一部が異物によって閉塞されていました。
腸を切開して異物を摘出すると、それはねずみのおもちゃでした。
ねずみ退治のつもりが、悲惨な目にあってしまいました。
それでも術後2日目には食餌を完食するようになり、4日目には退院できました。
喜びのF様ご夫妻と玲ちゃんです。
狛江市にお住まいのF様のご愛猫、メイクーンの玲ちゃんが昨日から7回も嘔吐して、食欲も全く無くなってしまいました。
バリウム造影による腹部X線検査や超音波検査の結果、腸閉塞と診断しました。
開腹手術を行うと、十二指腸の一部が異物によって閉塞されていました。
腸を切開して異物を摘出すると、それはねずみのおもちゃでした。
ねずみ退治のつもりが、悲惨な目にあってしまいました。
それでも術後2日目には食餌を完食するようになり、4日目には退院できました。
喜びのF様ご夫妻と玲ちゃんです。
世田谷区北烏山にお住まいのS様のご愛犬、チワワのプッチ君。
昨夜からせき込んで呼吸困難になり、今日はふらついて食欲もないということでご来院されました。
聴診すると著しい心雑音が聞こえ、呼吸数は1分間に140回もありました。(普通は10~20回位)
正に生死の境目の状態にありました。
十分に酸素をかがせてから胸部のレントゲン撮影をすると肺の後葉に肺水腫が認められました。
すぐさま酸素室に収容し、治療を開始しました。
1日目には呼吸数は30回ぐらいに落ち着いてきました。
初診時は注射も投薬もされるがままでしたが、翌日はいきなり噛み付いてきました。
それほど元気になったということです。
2日目には食事も完食するほどになり、レントゲン上でも肺水腫は消失したので、退院することになりました。
左:初診時のレントゲン写真 右:3日目のレントゲン写真
S様のお子さんたちも大喜び!!
世田谷区にお住まいのO様。
保護犬の里親として10歳を超えていそうなオスのラブラドル「福ちゃん」を飼うことになりました。
健康診断を兼ね、お座りするのがつらそうとのことなので、脊椎のレントゲン写真を撮ると、原因は変形性脊椎症とわかりました。
そして偶然にも胃の中に異物が発見されました。
どうやらつぶれたものを含むボールを3個、飲み込んでいるようです。
形状と大きさから判断して内視鏡による異物鉗子で摘出するのは不可能と考え、胃切開して摘出しました。
手術後は以前にも増して元気になり、食欲も旺盛です。今日、退院しました。
福ちゃん、良かったですね。
Tさんの6歳のアメリカンショートヘアーのあずさちゃんが昨日から急に食欲と元気がなくなり、お水ものまないので心配になり来院されました。
まず、下唇がよだれでわずかに汚れていました。口を開けるのを嫌がり、ちらっと見た限りでは舌の左下がガマ腫のように腫脹してました。
また左の下顎部も腫脹していたので、あたかも下顎の唾液腺嚢腫を思わせました。
※唾液腺嚢腫:唾液腺の導管が破れて唾液が漏出し、舌の下に貯留するとガマガエルのように見え、頸部が腫脹するケースもあります。
しかし、猫の唾液腺嚢腫は極稀であること。唾液に膿が混ざっていること。頸部の腫脹が通常よりもやや上部であることから疑問に思い、全身麻酔で口をしっかり開けて喉の奥の方まで調べると、青いものがチラッと見えました。
ピンセットで少しつまみ出してみるとそれは縫い糸でした。
猫が縫い針付きの糸を飲み込むことがよくあるので、糸を無理に引っ張ると針が咽頭や食道壁を傷つけることも考えられるので、レントゲンを撮ってみました。
するとやはり縫い針が舌の下方に埋没していました。
針の摘出はいとも簡単でした。
その日のうちにゴハンを食べるようになって機嫌良さそうにすりすりしてきて
「ありがとう」と言っているようでした。
世田谷区砧にお住まいの根岸様。いつものように愛犬ケビン君を散歩させていると、途中で80歳近いおばあさんから
「ちょっと足の先が太くなったんじゃない?先生に診てもらったほうがいいよ~。」と言われました。歩き方がゆっくりなってきたのは年のせいかと思っていたのですが、心配になり、その日のうちにご来院されました。
身体検査の後に、前肢、後肢のレントゲン撮影をすると、中手骨と中足骨に左右対称に断崖様の骨膜反応を認めました。
これらの症状と所見から、ある病気が頭に浮かび、咳をしないか伺ったところ、抱き上げた時に咳をするとのことでした。
今度は胸部のレントゲン撮影をすると、左肺前葉領域に7cm×4cm位の腫瘤が発見されました。従って肥大性肺性骨症と診断しました。
肥大性肺性骨症は胸部の肺腫瘍、慢性感染症、肺膿瘍などの慢性疾患に対して骨膜が反応します。肺の病変がどのようにして骨膜反応を起こすのかまだ解明されていませんが、最近、肺病巣に続発して、末梢の血管供給の増加が指摘されています。肺の病変が治療されると足の方も良くなります。
おばあさんの一言により、足の病変のみならず肺腫瘍があることまで発見されたのですから、おばあさん、本当にすごい
一段落して空想の世界に浸りました。
おばあさん、肺腫瘍のことまでお見通しだったのかも知れない…だとしたら魔法使いみたいだ…
あるいは、今は引退しているけれど、昭和30年代に獣医大学を卒業したベテランの女性獣医師だったかもしれないぞ…
当院のアイドル豚さんオリビアは昼間は「オリちゃん広場」で、夜は「オリちゃんルーム」で過ごします。
2か所の移動には2つのスロープを上下しなくてはなりません。
このところ爪がかなり伸びてきたので。スロープの上下を嫌がるようになりました。
オリちゃんは足先を刺激されると大暴れするので、爪を切るには麻酔をかけなければなりません。
一口に豚さんに麻酔をと言ってもノウハウの資料に乏しく、手探りで始めました。
オリちゃんは6年前に子宮の病気の為、手術で卵巣と子宮を摘出する必要に迫られました。
麻酔薬の量の計算には体重がわからなくてはなりませんが、あらかじめ体重計に乗せることさえできませんでした。その時は麻酔が効くまでに1時間以上もかかってしまいました。
また豚さんは痛みに非常に敏感で興奮しやすく、犬や猫に対する注射方法は全く通用しませんでした。
その後何回かオリちゃんの爪切りや、およその豚さんの去勢手術、避妊手術や歯の切断などで麻酔をかける機会に恵まれ、その都度、体重、麻酔薬の種類、薬用量、麻酔がかかる迄の時間、効いている時間などをきちんと記録していたのと、注射方法も色々と工夫してきたので、今ではワンショットで10分後にはお休みさせることができるようになりました。
オリちゃんルームで麻酔薬をすばやく注射する院長。
院長、松本副院長、Dr.菅野の男性3人で診察室に運びました。
診察台の上のオリちゃん。体重は86.5kg。
爪切り開始!植木ばさみと糸ノコを使います。
次回は電動器具を考えています。
合間にお耳の掃除。
麻酔が効いている間に健康チェック。
オリちゃんルームに運ばれて、麻酔が醒めるのを待っています。楽しい夢みてるのかな?
オリちゃんの爪切り、無事終了!
当院の最長寿の猫ちゃんです。
目下のところ健康上の問題点は便秘気味なことぐらいです。
実はこのポジョムちゃん、15年前に交通事故で生死の境をさまよう出来事がありました。
以下は当時の地元タウン紙「ファン」に掲載された記事です。
【ある日曜日の午前5時、交通事故の猫が急患で運び込まれました。
呼吸困難を起こし、口からは出血して起立不能でした。
無我夢中で連れてきたのは、八王子に帰宅途中の福田さんら5人の若者達で、烏山病院付近の甲州街道の真ん中で轢かれてうずくまっているところを見つけ、とっさに他の車の通行を止めて救出したとのこと。
診察中も、彼らは「がんばれー!」「良くなってお家に帰るんだぞ~!」と懸命に激励するのでした。
検査の結果、頭蓋骨々折、骨盤骨折、そして舌が大幅に切れていることがわかり、ICU装置に収容し、入院させることになりました。
応急処置が終了し、状態が少し落ち着くと、彼らは何やら相談し始め、もし飼い主を探し出せなかったら自分たちが引き取ると申し出、更にみんなでありったけのポケットマネーを出し合ってカウンターの上に置き、深々と頭を下げて帰っていきました。
仕事が休みの次の土曜日には、5人揃ってお見舞いに来てくれました。その時には猫は大手術にも耐え、か細いながらも声を出せるようになっていました。そしてなんと飼い主さんも見つかったのです。
その子は芦花公園の川名さんの愛猫ポジョムちゃんでした。もしあの時、甲州街道から救出してもらえなかったら、二度、三度と轢かれ、今頃ポジョムちゃんの命はなかったことでしょう。涙を浮かべた川名さんから何度も何度もお礼を言われ、茶髪の若者達は恐縮しながらもとても嬉しそうでした。】
先日、その若者達とのお写真を川名様よりいただきました。今みなさんはどんな大人になっていらっしゃるのでしょう…
14歳のパグの海ちゃん、2日前から食欲が無く、呼吸が荒いとのことで来院されました。
身体検査後に血液検査と胸部X線撮影を行ったところ、心臓が著しく拡大していました。
↑ 海ちゃんの胸部X線像
↑ 正常像
心臓の外側に直接接着している心外膜と繊維性壁性心膜の間の心膜腔に心嚢水が貯留していることが疑われ、心エコー検査を行ったところ、心膜腔に液体が貯留していることを表す黒色のエコーフリー領域が見られました。
この心嚢水によって心臓が圧迫され、血液を拍出する量が減少し、またそれ自体の大きさにより肺や気管が圧迫されていることも呼吸困難の原因となっていると考えました。
直ぐに海ちゃんを酸素室に入れ、その間に急いで心膜穿刺の準備をしました。治療の第一選択である心膜穿刺を右心切痕部から行うことにより肺や心臓を傷付けることなく50mLの心嚢水を吸引しました。
1時間後には呼吸の状態が良好になり起立できるようになって食餌も完食しました。
これから心嚢水を詳細に検査して原因を究明し、対処していきます。
11歳のウエルシュ・コーギーのティアちゃんが急に後肢が起立不能になり、歩けなくなってしまいました。
MRI検査により第1・第2腰椎間と第7腰椎・仙椎間の椎間板ヘルニアと診断しました。
そして、臨床経過とMRI検査所見からウエルシュ・コーギーに多いDM (変性性脊髄症)は除外しました。
早速、片側椎弓切除と椎弓切除術を実施したところ、10日後頃から歩行可能になりました。
元気に歩けるようになったティアちゃん。