「先日は病院実習を受け入れてくださり、誠にありがとうございました。昨年の夏から1年振り、2回目の実習で、久しぶりにお会いした皆様が私の事をよく覚えてくださっていて、とても楽しい1日を過ごさせていただきました。昨年実習にお伺いした際も飼い主様への丁寧な応対の素晴らしさを感じましたが、今回の実習中はさらに具体的に飼い主様へのお心配りを拝見し、小動物臨床獣医師としての心構えをお勉強させていただきました。
院長が朝礼の際に教えてくださった飼い主様が動物病院に一番強く求めているものは解りやすく丁寧で詳細な説明だるということ、またそれにお応えしようという病院の方針を、診察を実際に拝見していて強く感じました。
フィラリアの予防を初めてなさるという飼い主様に大変細かい事まで長い時間をかけてご説明なさっていて驚きました。虫の生活環や薬剤の機序、副作用の少ない薬を選択していること、20年ほど前と現在では予防・処置方法が変化していることなど、心臓や虫のお写真を本や図でお見せしながらご説明なさっていて、丁寧な説明とはこのようなことを言うのだと感激いたしました。
動物の 臨床で予防医学が大切であることが言われていますが、獣医師だけが予防に関する知識や技術を備えていても、動物の健康を守ることはできにと考えておりま す。まだ学生の身分ながらこのようんことを申し上げるのはお恥ずかしいのですが、獣医師は専門技術を提供することだけが仕事であってはならないと思いま す。動物たちを日ごろ観察し、動物病院への通院や処置を受けるか否かなどの決定は飼い主様が行うものです。飼い主様に動物の病気を防ぐための処置の必要性 や安全性を理解していただき、その処置を行う獣医師に対する信頼があって初めて私たちは動物に対して何かをしてあげられるのだと思っております。
院長がおっしゃっていた獣医師の仕事は動物相手と人間相手と半々、両方というお言葉は、獣医師は飼い主様と信頼関係を築くことを仕事の一つとして心がけていかなくてはならないという教えとして私の心に響きました。
ス タッフの皆様は大変仲が良く、院内は笑顔とお互いの心配りであふれていて、和やかな空気の中、充実した時間を過ごさせていただきました。獣医師として一人 前の大人になるにはまだまだ長い年月を要する私ですので、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 藤田瑞葉」